「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」起毛素材を磨く(応用)

シリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。第20回目は、起毛素材を磨く応用として細かいテクニックについて、長谷川裕也が熱く語ります。

まずは始めに基本の振り返りですが、特に目立った汚れやシミがない場合は以下のように手順を踏んでいきます。

1、馬毛ブラシで全体のほこりを払う。
2、スエードブラシ(金ブラシ)で汚れを除去する。
3、馬毛ブラシで再度ほこりを払う。
4、スエードスプレーを吹く。
5、乾燥後に馬毛ブラシで毛並みを整えて完成。

という5つの手順にて完成します。

ただしこれだけでは綺麗にならないものも多く、コツが必要になってくる場合が多数あります。それぞれ手順毎にコツが必要な場合と方法をお話しします。

【スエードブラシでも取れない汚れがある場合】

「シミの跡が取れない。」「頑固な汚れが取れない。」という場合にはスエードブラシではなく”紙やすり”を使用して表面の汚れを除去することが可能です。

その場合は紙やすりの番手は”280番”くらいが良いでしょう。大体の起毛素材に適応しています。あまり紙やすりが荒い番手だと起毛素材も荒くなって毛足が長くなってしまいます。なので280番手が万能です。

紙やすりで表面の汚れ(繊維)を少しずつ削っていきます。そうするとポロポロと消しゴムカスのように表面の汚れをとれてきます。やり過ぎないように注意しながら行いましょう。

【毛足が荒くなって繊維がぴょんぴょん出ている場合】

ついハサミでカットしたりバリカンをかけたくなるような場合は少し火で炙ってみましょう。ぴょんぴょん飛び出た繊維だけが燃えて毛並みが整います。

昔からネクタイ(シルク製)の先っぽが毛羽立ってくると火で炙って整えることがありますが、それから着想を得て17、8年前にこの方法を思いつきました。

それからは毛並みが荒い起毛素材はちょっとずつ火で炙って毛並みを整えています。

ここでこの工程の注意点がありますのでしっかり覚えておいてください。

1、明るい色の起毛素材には×

単純に火で焦げてしまい色が変わってしまうのでミディアムブラウンよりも明るい色にはオススメしません。目立たないところで試してからやりましょう。

2、毛並みが魅力の素材には×

上質な毛足の長さが魅力の靴や、バックスキン、ラムスエードのような毛並みが魅力の靴だと勿体無いので行いません。

【スエードスプレーの色が合うものがない場合】

もしも市販されているスエードスプレーに合う色がない場合、例えばピンクやイエローなど明るい色目などは市販品ではありません。そういった場合には無色の防水スプレーを選ばれる方が多いと思いますが、おすすめは”ミンクオイルスプレー”です。

オイル成分が多いので補色をせずに全体的に少し濃くなることで元々の色が蘇ってきます。 基本的には表面をブラッシングなどすると色が薄くなってしまうので、このミンクオイルスプレーは効果覿面です。

これを発見したときは我ながら天才だなと思いました(笑)。

その際の注意点は必ず屋外で行うこと。ミンクオイルスプレーは気管に入るとかなりむせますので(他のスプレーも屋外で使うのが当然ですが)特に注意してください。

ここまで!!!

長い経験を経て編み出してきた本当は教えたくない(応用)の起毛素材の磨きについてお話ししました。

起毛素材はスムースレザーよりも汚れていてもあまり気にならないことが多いですが、きちんとお手入れすると新品のように生まれ変わり味も出てきます。ぜひこれを毎回読んでくれている熱烈靴磨き道場の門下生の皆様には実践していただきたいと思っております。

それでは次回はエナメルの磨きについて指南して参ります。足元美しく人生を歩みましょう!押忍押忍押忍!!!

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