撥水力最強!防水スプレー誕生秘話
防水スプレーは数あれど、目指したのは最強の撥水力と革の色を変えない処方。そんな防水スプレー誕生の舞台裏をご紹介。思わず試したくなりますよ。
いつから日本はこんなに暑くなったのか。オシャレは我慢と言いますが革靴を履くにあたり日本の夏を上手に乗り越えなければなりません。革靴にとって一番の大敵は雨!昨今の日本はゲリラ豪雨も多く、大切に育てている愛靴が一発でダメになってしまうこともあるのです。
一般的に雨によって起きる革靴のダメージの代表格は雨シミです。革は水に濡れると色素と共に革の中を乾いた方へと広がっていきます。ゆえに雨シミは濡れた輪郭部分が濃くなり輪ジミなどになります。そうなってしまった時は濡れて帰ってきたら全体を濡らしなおすこと、あえて全体を濡らしなおすことでムラがなくなりシミになりにくくなります。
そんな対処法もありますが、何より一番は雨ジミが起きない靴にしておくのが良いですよね。それには日頃からのきちんとしたメンテナンスしかありません!メンテナンスは嘘をつかないのです。
そこで本日お勧めしたのがBrift Hが開発した最強の防水スプレー”THE SPRAY for waterproof”です。防水スプレーは世の中に沢山あれど、我々靴磨き職人が作るとどういったものになるかと言いますと「愛靴を守る最強の撥水力」と「革の色を変えない処方」この2つを叶えたものになりました。僕らが普段使っている某メーカーの素晴らしい防水スプレーと徹底比較し商品開発を行いました。
今回制作してくださった工場には最初から「とにかく撥水力を最大限にして作ってください」とお願いしていて出来上がった試作品第1号と某防水スプレーをヌメ革(とても水が染みやすいナチュラルな革)に同量を吹きかけてから水滴を落とし、どちらが先に水が染みるかを検証実験しました。
試作品第1号は惜しくも敗れ、工場にもっと強く撥水させてくださいと依頼。出来上がった試作品第2号で同じ実験を行い、約30分ほど水滴を弾く静かな激戦を繰り広げた結果、惜しくもまた敗れました。この某メーカーの防水スプレー、すごいじゃないかと心から感心しました。
そこでまたまた工場に「これ以上無理!」というところまで撥水力を高めてもらいました。そんなもうこれ以上は出来ないという後がない試作品第3号との世紀の一戦。30分が経過し落とした水滴が乾燥してしまい再度水滴を追加、約40分を越える激闘の末、某メーカーのスプレーした方にじんわりと水滴のシミが!!その場に居合わせたメンバーみんながガッツポーズでした。3度目の正直で勝てたこのうちの防水スプレー、勝てる撥水力のスプレーが現れたらいつなんどきどんな挑戦も受ける所存です。
また、もう一つのこだわりである「革の色を変えない処方」に関しては、油分補給タイプの防水スプレーも素晴らしいのですが、色が濃くなってしまうことが多く、もともとの靴の色を保持しながら防水する上ではフッ素をメインとした処方にて作りました。なので色も無色でどんな物にも使え、量も298mlと大容量にし「一家に一本」をモットーにたっぷり使える商品にしております。
最後に防水スプレーのかけ方のコツをお教え締めたいと思います。まず全体のホコリを払って汚れを取った後に、30㎝ほど離した距離からたっぷり染み込むのを見ながら満遍なくスプレーをかけていきます。ムラになるのが一番良くないのでたっぷりじっくり吹きかけてください。そのまま5分ほど置けば乾燥し防水スプレー完了です!
写真にあるようなビックリするような撥水をするスプレーなのでぜひみなさんのご自宅にも常備していただき、素敵な革靴ライフを送ってください♪