韓国靴磨き漫遊記

韓国・ソウルのビスポークテーラー「La Chiave(ラ キアーベ)」にて、昨年に続き2度目となるBrift Hのイベントを開催しました。カウンター靴磨きやワークショップ、製品販売会を実施。韓国の靴好きの皆さんとの交流を通して感じた、現地の靴磨き事情や新たな発見を、漫遊記としてご紹介します。

皆さんこんにちは、Brift Hの新井田です。今回は9月19、20日に開催した韓国での靴磨きイベントについて、漫遊記としてご紹介できればと思います。

昨年に引き続き、韓国のLa ChiaveにてBrift H POP UPを開催。“カウンター靴磨き”と6名制の“グループワークショップ”、そしてBrift H製品の販売会を実施しました。2日間でのべ約40名の方にご来店いただきました。初めて靴磨きを体験される方から、日頃の靴磨きのやり方を見直したいという方まで、幅広い方が参加してくださいました。

年代は20代後半から50代前半までと幅広く、共通していたのは「革靴が好き」「ちゃんと磨きたい」という声です。ほとんどの方が靴磨き自体に強い関心を持って来店されていました。参加者の中には、ソウルで靴磨きや修理を営む同業者の方も5、6名参加されました。別々のお店の方でしたが、同じ技を学ぶうちに自然と会話が生まれていて、ワークショップが同業の方同士の交流の場になったのは、嬉しい意外な収穫でした。

持ち込まれていた靴は、John Lobb、J.M. Weston、Aldenの3ブランドが中心。特にコードバンの手入れ方法に悩む方が多く見られました。ネットで調べた方法を試しては「これで合っているのか」と不安を抱えている方が多い印象で、ワークショップで最も盛り上がったのは、“レザースティックの使い方”でした。使うタイミングとスティックの握り方をお伝えすると、皆さん「そうやってやるのか!」と新しい発見があったようです。

道具を持っている方は多いのに、正しい使い方を教わる機会がない。それが今の韓国のシューケア事情だと感じました。ワークショップでは一人ひとりの靴を使って仕上げまで行ったので、「明日から自分の靴に活かせます」という感想もいただきました。

韓国ならではの話として、参加された方の多くが兵役で靴磨きを経験されていることも印象に残っています。「兵役で習った磨き方とは、いい意味で全然違う」「やり方を覚えたらこんなに光るのか」という声をたくさんいただきました。磨き方一つで仕上がりがここまで変わるというのは、私たちにとって当たり前でも、初めて知る方には驚きの連続のようでした。

韓国にはいい靴を履く方がとても多いのに、靴を預けられるお店がまだ少ないのが実情です。政治家や弁護士など、普段から靴の手入れを任せたい方々が自分で磨くために参加してくださるのも、その表れだと思います。まずは「知りたい」という気持ちに一つずつ答えていくことを続けていきたいと思っています。そして、ゆくゆくは韓国での靴磨き大会の開催も視野に入れています。

今回、「日本の大会に出たい」「来年はシンガポールのアジアチャンピオンシップに出る」と言ってくださる方も現れました。ご参加いただいた皆さんと、また会場でお会いできる日を楽しみにしています。Brift Hはこれからも、靴磨きの技術と楽しさを国境を越えて届けていきます。

Brift H 新井田隆

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