「Brift H 製品通信」靴磨きの本

手間をかけなくても欲しい情報をすぐに手に入れることできる何かと便利な世の中になりました。そんな時代だからこそ、本で物事を学んでみませんか?今月二回目の「Brift H 製品通信」は、靴磨きの本のご紹介です。

いつからでしょうか、物事を知ろうとするときにYouTubeを観るようになったのは。ちょっとした何かを調べるときに知識よりもやり方を学ぶ場合に動画というのは大変わかりやすく手っ取り早く学べます。かくいう私(長谷川)も釣りの仕掛けとか料理とか調べ事をするときにはつい、YouTubeをスマホで立ち上げてサクッと観ては巻き戻して観直して、なんてことをしています。

でもでも、そんな時代だからこそ本で物事を学んでみませんか。

表紙をめくり、文字を読み、写真を見て、ページをめくって次の頁へ。アナログだけども想像力を働かせ、書き手の伝えたいことを深読みして実践してみるってうのも味わい深いもんです。僭越ながら私は靴磨き関連の本を3冊出版しておりまして、それぞれにとても思い入れたっぷりに作りました。

もちろん自分だけの力だけではなく、出版社の担当編集者さんやライターさん、カメラマン、デザイナーさん、それを書店に売り込む営業さんなど多くの方々のお力を借りて本が出来てきたのですがぜひそれぞれの本の特徴や魅力を本日はお伝えしたいと思います。

【靴磨きの本/亜紀書房】

2016年に出版した記念すべき1冊目は自分にとって原点であり頂点の一冊です。今までに12回の増刷を重ね、累計5万部を突破しており”実用書”と言うカテゴリーでは大ヒットと呼べる本です。台湾、韓国でも翻訳されて出版されたTHE靴磨き本といっても過言ではない一冊です。

敏腕編集者のT氏の提案で、本が180度開くコデックス装という特殊な製本方法で作られているために靴を磨きながらでも見やすいようになっています。この本で一番誉めれるのが内容よりもこの仕様です(笑)

内容は靴磨きビギナーに向けて作ったので完全初心者向けです。通常のスムースレザーの鏡面磨きはもちろん、スエードやコードバン、エナメルなどほとんどの素材の靴が磨けるように素材別のお手入れ方法も網羅しているのでこの一冊があれば下駄箱は丸ごと綺麗になるでしょう。

また意外と知らない靴磨きにまつわるあれこれにもQ&Aページでお答えしています。プロ視点ではなく、よく聞かれる質問や編集者さんたちの質問を集めたので今さら聞けないよ〜って言うことにもたくさん触れているのできっと読み物としても面白いはずです。

靴磨きを基礎から学びたい方にはぜひおすすめの一冊です。

【続・靴磨きの本/亜紀書房】

2020年に出版。1冊目の続編として作りましたが、これ以上詳しく靴磨きについて書けないって言うくらい丁寧かつマニアックに作った本気の本です。私にとっては五輪書のつもりです。

まず基本の靴磨きについてだけでも70ページに亘り書いています。これ以上詳しく解説するのは無理というくらいに細かく書いています。冒頭の話に戻りますが、どうしても実用書がYouTubeに負けてしまうというのを打破するのために本だからこそ学べるという点を意識して作りました。そのひとつが写真の通り原寸大の指を載せてクリームの適量を示したページです。

それ以外にも塗り込むストロークを練習するページや、ワックスを塗る範囲のページなど動画よりも本で見た方がわかる!っていう紙の強みを存分に活かした本です。

またこちらは1年弱に亘って被験者の方に靴を磨いて履くのと磨かないで履くのでどのような違いが出るのかという検証もしていただきました。毎日LINEグループで報告をしてもらいながら大真面目に検証した結果がこの本の始まりです。靴を磨くっていうことが果たしてどの程度意味があるのか!?

また世界中で活躍する靴磨き職人のインタビューや、REGALさんにご協力いただき靴について詳しく解説したり、東京都立皮革技術センターの宝山先生に解説いただいた革のトラブルの原因についてなどかなりマニアックな内容となっております。

残念ながらマニアックすぎて”靴磨きの本”ほど売れていないのですが、読み物としてもとても充実した素晴らしい形になっていますのでぜひ靴磨き好きの皆様には読んでいただきたい一冊です。

そんな熱すぎる想いから特装版として200冊限定で本革装丁の本も作ってしまいました。黒とバーガンディーに2色ありそれぞれ100冊ずつ作りました。100年後にも残されている本になって欲しいという願いと本自体が革製品で読むごとに味わいが増して欲しいという想いで作りました。

【自分が変わる靴磨きの習慣/ポプラ社】

こちらは2018年に出版した自己啓発本と実用書の間のような本です。私が靴磨き職人として多くのお客様と靴との出会いから靴磨きの魅力について語っています。

まだ若造の自分が偉そうなことは言えないと思い、たくさんの靴を大切にする方々から学んだ哲学を詰め込んでいます。

反対側から読むと靴磨きの実用書としても使えるように手順を載せています。オールカラーで”靴磨きの本”とほぼ同じ内容になりますがきちんとこの書籍用に一から文章と写真も作りました。

ぜひ周りで靴磨きの魅力を伝えたい方などにプレゼントするのも良いかもしれません。

というわけで僭越ながら自分の本についてそれぞれの魅力を書かせていただきました。一冊一冊が我が子のように大切に作ってきた作品なのでぜひ手に取っていただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

著者 長谷川裕也

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