THE WAXの特徴とコツについて

「世界一光るワックス」をコンセプトに、幾度ものサンプル作成を経て完成した”THE WAX”。実は、Brift H製品の中でも最後まで開発に取り掛からなかったのがワックスです。今回は特徴も理解していただき、秋本番により足元を輝かせていただけるよう、使い方のコツについてもご紹介します。

Brift H製品の中でも最後まで開発に取り掛からなかったワックス。なぜなら世の中にはすでに優れたワックスが多く存在し、わざわざBrift Hとして手がける必要はないと考えていたからです。

僕らが何か製品を作る時は、世の中に存在する靴磨き用品の中で「こういうのがあったら良いのに」という靴磨き職人目線で欲する時です。なのでワックスに関しては最後まで開発するつもりはありませんでした。

ただ一つ世の中のワックスに対して課題はありました。このワックスを開発を始めた2016年当時はまだ世の中にハードワックス(ロウ分が多い硬いワックス)はなく、新品のワックスを蓋を1週間程度開けて中身を乾燥させて”ドライワックス”という状態にしてから使うのがプロの靴磨き職人にとって一般的でした。

この方法だと乾燥によって使い心地にムラが出るという問題点があり、また放置を長くし過ぎると乾燥しすぎて使えなくなってしまうという事例も頻発していました。そこで新品の状態からすぐに使えるようにロウ分を最大限高めたワックスの開発に取り掛かりました。

まず工場に最大限ロウ分を多い処方で作成を依頼し、そこから使いやすい硬さまで徐々に緩くしていく方法で試作品を作っていきました。試作品1号はロウ分が多すぎてまるで蝋燭のような硬さで指、でも布でも取れない状態でした。そこから油分、有機溶剤の割合を増やしていき試作7回目で”THE WAX”が完成しました。

中身の配合が決まれば次はカラーバリエーションです。ハードワックスになると少量でも光りが出るので通常のワックスに比べ薄塗りで済みます。なので色付けに関しては少し濃いめの調色をすることで少量のワックスでもきちんと色が乗るようにし、発色はTHE CREAM同様、世の中の高級なレザーの色に合うよう調色して頂きました。なので靴磨きにこだわる靴愛好家の皆様にも納得いただける色になったと思います。

ハードワックスはロウ分の含有量が多いが故に使い心地が硬いので少しコツが入ります。最後にその点についてお話しします。

まず指で塗る際は手の体温で温めながら溶かすように取りましょう。特に中指は力が入るのでグイグイと少し力を入れて溶かします。そのまま掘っていけば柔らかい部分が出てくるので、そのあとは真ん中を中心に均一に使っていきましょう。

塗る時も伸びが悪いのですこし力を入れて塗っていきます。量が取れていないと革の表面で突っかかる感じがすると思うので、ある程度指にワックスをとってから塗ると滑りが良く塗りやすくなります。この辺りの感覚は実際にやりながらコツを覚えてください。

THE WAXを使いこなすと通常の2倍くらいの早さで鏡面磨きが仕上がります。最後に柔らかめの通常のワックス(メーカーは問わず)を使うと濡れたような光沢が出るでしょう。ぜひこれからの秋本番の足元を輝かせてみてください、鏡面磨き楽しいですよ。

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