THE CREAM 製作秘話2

6月にご紹介した看板商品”THE CREAM”の製作秘話。今回は制作するにあたりこだわったラベルや瓶についてご紹介します。あなたの愛靴にもぜひ最高のご飯(クリーム)を。

Brift Hとして初めて作るオリジナル商品(江戸屋ブラシなどのコラボ商品は元々ありましたが)としてこのクリームをどのようなデザインにするか実はめっちゃくちゃ沢山のアイディアを経て今の商品になりました。

まず容器です。

瓶に入れるのか、プラスチック容器なのか、はたまた違う革新的な容器を探すのか。まず容器メーカーをネットで色々と検索したは良いものの実際にみて見ないとわからないとショールームへ足を運んでみたけどいまいちしっくりくるのがなく、自分でリメイクすれば良いのではと思いレザーに焼印を押して貼ってみたりしたのですが「これ量産するの無理なのでは?」と断念したり。

Brift Hのデザインの仕事をいつもお願いしている強力なパートナーのS氏と共にあーでもない、こーでもないと話しながら最終的にはクリームの保存を考えて瓶に入れることに決定。

クリーム自体はオーガニックスペックな上に、着色するのは顔料を入れず染料だけでの着色にしたかったので日光に当たると色が褪せてしまうので遮光瓶にする必要があるという点と、指でクリームを取ることを考えると瓶の口が狭いと手に付いてしますので口が大きくて、クリームの量が少なくなってきても奥まで届きやすい形状かつ最後まで使い切れる容量という実用性も重視してこの瓶を選択しました。

また昔からゴールドが好きだったので蓋は眩い金蓋にしました。なぜゴールドが好きかと申しますと「決して錆びず永遠に輝く」金属だからです。人生においても靴磨きにおいても常に輝かせていきたいと想いを込めています。

さて、容器が決まったらデザインです。

この容器を格好良く見せ、また今までにないBrift Hらしいラグジュアリーさとパンク精神を宿るものにしなければいけません。僕がいつもデザイナーS氏とデザインと考える上で常にベースにあるのが”ラグジュアリー”と”パンク”そして”ユーモア”の3要素です。当たり前なデザインではなく常に反骨精神や裏テーマを設けるようにしています。

というわけでどんなラベルを貼ろうかと色々とミーティングをしていると「ハセ君さ、HELLO MY NAME ISステッカーって知ってる?」と聞かれました。「え?なんですかそれ?」と言うと「アメリカのホームセンターとかで普通に売っているステッカーなんだけど、それにサイン書いて街に貼っていくっていうストリートカルチャーがあってさ、それとかかっこいいなんじゃない?」と。

ぬおー!!それは最高のアイディアだと大興奮!!なぜならBrift Hの起源は路上靴磨きであり僕自身がスケーターだったのもありストリートカルチャーは自分の起源でもあるからです。それをBrift Hの初めてのオリジナル製品に落とし込めたら素晴らしい!と言うことでHMIステッカーをベースにデザインが始まりました。

S氏が提案してくれたのは通常名前を書く空欄の部分に商品名を記すと言う案。それは分かりやすいし意図としても完璧なのでOKとすぐになったのですが、じゃあ肝心のBrift Hのロゴはどこに入れるの?となりました。

そこは常にパンク精神が宿るBrift Hらしくという事で”HELLO MY NAME IS”の文字の上にあえてBrift Hを被せてしまおう!ということ。そんなラベルあります??って感じでしたが白文字と黒文字で印刷することで微妙?絶妙?な違和感がありながら馴染むデザインになりました。さすがS氏・・・

そこに商品名を入れるにあたりフォントをどうするか。皆さんこのフォントどこかで見たことありますよね?パッと答えらる方はすごいですがよーく見れば皆さんアッてなると思います。

そうです、S氏が選んだのはAppleのフォントです。

iPhoneなどで皆さんも無意識に馴染みのあるフォントですが、S氏がこのフォントを選んだ理由は「直線的な線の雰囲気が先進性を感じられるし現代に生まれた新しいクラシックになるフォントだからBrift Hの商品にピッタリじゃないかな」ということ。

S氏の深い考え恐るべし。。。このTHE CREAMが靴磨き業界のiPhoneのような革命まで起こせるか分かりませんが、確かに今までにない化粧品スペックと使い心地で革新的なのは間違いないので完全に製品背景と一致しています。もう検討する必要もなくこのフォントに決定しました。目指せ靴磨き界のAPPLE!

デザインが完成したら次は印刷です。

金蓋に同じ光沢を出すには金泊の印刷が必須条件ですが、その上に黒や白などデザインが凝っているためにラベル印刷もどこでもできるような簡単なものではありませんでした。そこでS氏が探してくれたのが京都にあるとある印刷屋さんでした。

そこでこのデザインで高品質に印刷してくれることが叶いましたがこだわったのもあり一枚100円もするラベルになってしまいました。。。なのでBrift H製品が世のクリームに対して高級なのは中味が最高級ということに加え、瓶やラベルもこだわったせいで高級になってしまいました。。。皆様その点お許しください。

ぜひ触ってもらえれば分かりますが肉厚で本当に素晴らしいラベルです。

最後に一番したに記された”MADE BY SHOESHINEMAN”の文字。これは靴磨き職人が作った靴磨き道具という証として入れています。

自分が靴磨きを始めた20年くらい前は今に比べると靴磨き道具は本当に気が利かないものばかりで「靴を磨く人の視点で商品作っているのかな?」と常々思っていました。それもありBrift Hでは一貫して使う人目線での商品、靴磨き職人が作る製品としてこだわっているので生産国よりも大きく生産者”MADE BY SHOESHINEMAN”と記しています。

と、また長々とTHE CREAMの製作秘話についてお話ししましたが、こうやって改めて当時のことを思い出しながら書いているとなんだかあの頃が懐かしいな〜と少しセンチメンタルな気持ちにもなりつつ、最初は新鮮だったデザインも今ではなんだか定番的な落ち着きがあるなと思いました。

さて、THE CREAM製作秘話はまた不定期ではありますが次回また違うこだわりについてお話しできればと思います。使ったことがない方はぜひこの素晴らしいクリームを愛靴に塗っていただきたいと心から思います。

長文を読んでいただきましてありがとうございました。

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