「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」其の陸

シリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。第6回目は、靴磨きをする上での「第3工程目」について。長谷川裕也が熱く語ります。

靴磨きの工程をこれでもかと細かく丁寧に伝えている本シリーズですが、いよいよ靴磨きらしい工程に入ります。全16工程のうちの3工程目にあたる“ホコリ落とし”です。

靴のほこり落としに最適なブラシとして馬毛ブラシを使います。なぜ馬毛が良いかというと毛足が長く靴の隅々まで入り込んでほこりを掃ってくれるからです。

豚毛やナイロンのブラシではダメなの?と思う方もいると思いますが、結論的には決してダメではありません。ただ馬毛ブラシの程よい柔らかさとコシ感はほこりを払うためにあると言っても過言ではないくらい使い易いので確実に馬毛ブラシをお勧めします。

おっと、ブラッシングの前に大切な工程。シューツリーをいれます。その際におすすめはスポンジシューツリーです。

先端がスポンジで出来ているためにどんな靴にも合いますし、なによりクリームを入れたとときに革を揉みながら塗れるのが最大の魅力です。ビスポークなど特殊な形状でなければスポンジシューツリーを入れておくと間違いありません。

まず靴全体のほこりを掃った後に、コバの隙間(特に土踏まず)の部分を念入りにブラッシングして中に入ったほこりを掻きだします。

イメージは歯ブラシで奥歯を磨くような感じでしょうか?ササっとでは取り切れないのでしっかり行ってください。

次にタンのすき間のほこりを掻きだします。また紐靴ではないデザインもしっかり全体をブラッシングしてください。例えばローファーなどはサドル部分の内側に意外とホコリが溜まっていたりします。モンクストラップの靴なども同様に革がかぶさった部分を長い馬毛ブラシの毛を使ってうまくほこりを掻きだしてください。

クリーナーで汚れを取る前にほこりを掃うことをしないとクリーナーで拭いた際に細かいほこりが革の目の中に入り込んでとれなくなってしまうので必ずクリーナーを使用する前に馬毛ブラシを使います。 「塵も積もればなんとやら」と言われるように、靴にも塵(ほこり)が溜まると革の表面の油分を吸い込み革の乾燥も進行します。

昔、雑誌である英国紳士が靴のお手入れの極意は「日々のブラッシングだ」という事を言ってましたがそれは本当でマメにクリームでお手入れなどしていなくても日々のブラッシングでほこりを掃うことで靴を常に良い状態に保つことが出来るのです。

今回はここまで!次回の其の七は4工程目の“コバを整える”です。まだまだ深く熱く厚く靴磨き道場は続きます。

新年明けてお忙しい日々が続くと思いますがぜひ足元を整えて清々しく過ごしましょう!ではまた!押忍押忍押忍!!

このページでご紹介の商品はこちら