「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」カビ除去の巻

シリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。第21回目は、革は育ててもカビは育てたくはないもの。そんな今の時期最も気になるカビの対処法について、長谷川裕也が熱く語ります。

ジメジメと湿度の高い日本の夏。カビにとっては最高の季節です。日本の”発酵”という食文化は世界に誇れる一つですが、靴に関しては菌は育てたくはありません…今回の靴磨き道場ではカビが生えてしまった時の対処法を伝授いたします。

写真のGUCCIのビットローファー。何を隠そう私の靴です。雨の日にわざわざ履いた訳ではなく、雨が降った後の濡れた路面を歩いて帰ってきて、そのまま完全に乾かさないまま靴棚にしまってしまい、気付いたらごっそりカビが生えてしまいました。

カビは白カビ、黄カビ、黒カビと色とりどりですが、黒カビは革の中まで痕跡が残ってしまうので特に注意です。濡れて帰ってきたら靴を玄関の段差などに斜めに立てかけて風通しをよくして(扇風機の風を当てるのがベスト)完全にソールを乾かしきらないといけません。やっていたつもりが少しまだ濡れていたんでしょう、そんな隙を狙ってカビは一気に繁殖します。

久々にやってしまった!とびっくりがっくりきましたが大丈夫です。落ち着いて対処していきましょう。

まずはカビを外で払い落とししましょう。屋内で行うとカビが舞ってしまうので屋外でまずは出来る限り払います。この時に使うのは馬毛ブラシでも豚毛ブラシでも大丈夫です。使ったブラシも綺麗にして1時間くらい天日干ししておくと良いでしょう。

表面上のカビを除去した後は革の中のカビ菌もやっつけたいのでアルコールをたっぷり染み込ませたコットンで拭き取ります。靴底であればアルコールをたっぷり塗っても問題はないので染み込ませるように拭き取りましょう。弊社の「THE ANTIBACTERIA SPRAY」であればなお良いです。

その後にちょっとした裏技ですが天日干しで殺菌をします。本来であれば革に直射日光は良くないのですが、カビが生えたとなると日光消毒をしてよりしっかり殺菌をしたいところなので30分くらい日に当てて紫外線で殺菌します。

最後にソールオイルを塗って保湿します。「THE LEATHER SOLE OIL」には除菌効果のあるお酢も入っているので安心して塗れます。とは言え一度カビが生えた後はカビ菌の根が革の中に残るために再発がしやすくなるので、保管時は湿気を気にしながらしまってください。一度除去したからといって安心はできないのでぜひ夏の間は特に気をつけていきましょう。

というわけで今回は夏のカビ対策についてお話ししました。アッパーにカビが生えてしまった場合はここまで過激な除菌はできないのでまた違う機会でお話ししたいと思います。それでは暑すぎる夏を足元美しく乗り切っていきましょう、押忍押忍押忍!!!

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