「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」年末の下駄箱大掃除のすゝめ
シリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。第17回目は、来る年末を迎えるにあたり下駄箱のお掃除のすゝめと題して、長谷川裕也が熱く語ります。
某企業のCMで「今年のよごれ今年のうちに〜♪」という歌がありますが、家の大掃除と合わせて愛靴達も大掃除してあげると新年を美しい足元で気持ち良く迎えられるはずです。
私たちのお店でもご自宅にお伺いする出張靴磨きというものを行っていますが、毎年この時期になるとご依頼いただくお得意様がいます。その方は靴の数が200足ほどあり、玄関に入ってすぐに靴の部屋があります。
一足一足が靴好きからすると一張羅になるような名靴ばかりで、その素晴らしいコレクションを毎年年末の大掃除に合わせて全て磨き上げるという大仕事があります。しかも1日で全ての靴を磨くので日々磨きに従事している我々靴磨き職人にとっても一年で一番ハードな1日になります。
人それぞれ靴の数は違うと思いますのでかける時間も様々ではありますが、必ず下駄箱や棚に収納しているはずです。なので年末の大掃除は靴だけではなく下駄箱もきれいにしましょう。
1、まず収納している靴を全て外に出します。
写真は恥ずかしながら我が家の下駄箱です。左の棚は家族の靴を納めてますがグチャグチャなのはご愛嬌ということで。日々下駄箱を見ていますが全ての靴を出すことはなかなかありません、改めて最近履いてない靴など分かるので下駄箱の棚卸しという感覚でやれるので良い機会ですね。
靴を外気に触れさせることで革にいっぱい新鮮な空気を吸わせてあげましょう。直射日光を避けて風通しの良いところで陰干しすると良いでしょう。天気予報を見て雨が降らないことを確認して1、2時間外に出してあげます。
2、棚を空にしたらアルコールやアンティバクテリアルスプレーなどを吹きかけ雑巾で拭き掃除をします。
棚は汚れた靴底が触れる部分なのでかなり汚れているので清潔にしてあげましょう。私も何度か経験していますが靴棚にカビがしまって他の靴にも広がっていくことがあります。靴だけではなく下駄箱も除菌しましょう。
アンチバクテリアルスプレーは除菌だけでなく抗菌作用もあるので菌の繁殖を抑えます。棚に3、4プッシュして少したっぷり目にスプレーして適当な布で拭き取りましょう。
汚い布をお見せするのは大変心苦しいですがこんなに汚れていました。1年間かけて徐々に汚れていくので普段はあまり気になりませんがチリツモですね。
全部の棚を拭き終わるととっても心がスッキリしました。下駄箱は靴にとっては家みたいなものなのできちんと綺麗にしてあげることは大切だと改めて実感します。
3、棚を綺麗にしたら靴を一足ずつ磨いていきます。
その際一足ずつ丁寧に全行程を行うのも良し。数が多くてそんなに時間も手間もかけっられない場合はグローブで拭いたり、馬毛や山羊毛ブラシでブラッシングするだけでも良いです。
ちなみに私はムートングローブで全ての靴を磨き上げました。普段から定期的に入れ替えて磨いているので一番簡単な手入れですが少し磨くだけでも全ての靴がスッキリして気分が良いですね。
最後に靴を綺麗になった下駄箱に戻すのですが、ただ戻すだけでなく靴を並び替えて気分一新させてみるのをお勧めします。
今回は色ごとに収納するようにしました。下から白い靴、ベージュ、ブラウン、ダークブラウンとグラデーションになっていくのが美しいのと自分の愛靴達がどんな色が多いかなど一目瞭然になります。
私自身、今回色ごとに収納して気づいたのが黒靴がほとんどカジュアルな靴だったことです。ほとんど外羽根やローファーなどカジュアルな靴ばかりで、靴好きなら誰しも持っている大定番「黒のストレートチップ」を持っていないんだな〜と今更ながら気づきました。年末の下駄箱棚卸しは次に買う靴をも決めてしまいますね。
と言うわけで年末の下駄箱大掃除のすゝめということでお話しさせていただきました。 実はこれ以外にも箱に入っているものや自宅以外に置いてある靴など全てはお手入れができていませんが2023年の足元を支えてくれた愛靴達に感謝しながら全ての靴達を磨いてあげようと思います。
ぜひ皆様も新年を気持ち良い足元で迎えられるよう実践してみてください。それでは今年の道場はこれにて終了!来年もどうぞよろしくお願いします!押忍押忍!!!