「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」其の一

今回よりシリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。記念すべき第1回目は、靴磨きをする上での「心構え」について。長谷川裕也が熱く語ります。

今回からシリーズで始まる「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。その昔まだBrift Hを始める前、路上で靴磨きをしていたころ「靴磨き.com」というサイトを運営し靴磨きに関する情報を発信していました。随分まえにサイトは閉じてしまいましたが(かれこれ16年前の話)、そのサイトの中で「若き靴磨き職人の熱烈日記」というブログを書いており一部の熱狂的な靴磨き好きには伝説のブログとして今もなお語り継がれております(少し盛っています)。

このオンラインストアがリニューアルしたことをキッカケにそのころと同じ情熱をもって、いやそれ以上の情熱で靴磨きについて熱く語る記事を書いて参りますので皆さま、ぜひご期待くださいませ!

というわけで其の一ということで、まずは靴磨きの技術的なお話をする前にまず心構えについてお話ししたいと思います。「靴を磨け、そして己を磨け」とはBerlutiの4代目当主オルガベルルッティの有名な言葉ですが、僕もこの言葉には激しく同意いたします。靴を磨くとは靴を磨くにあらず、靴を通して自分を磨くこと。または、その人を輝かせることと思っています。

自分の靴であれ他人の靴であれ、その靴を最高に素敵になるように磨く。それは靴のデザイン、革質、色味という要素もあれば、その靴を履くシチュエーションや洋服との合わせ、そして自分がその靴をどのように履きたいか、またはどのように見られたいかを考えながら一足の靴を磨くとなるとただ単に靴を綺麗にするということでは至らないことになります。

よ~~~く靴を観察してその靴を理想の靴になるように磨く。磨く前に、まず磨きあがった完成イメージを頭に思い浮かべ(ゴール設定)して、それに必要な道具を並べ(戦術を考え) 実際に革を愛でながら集中して磨き(実践)、仕上げる(完了させる力)。そしてこの一足の靴を磨きながら手と頭を使い日々の喧騒から離れ瞑想に近い世界に入ります。きっとそれは心のリフレッシュにもなり、また輝いた靴は明日への活力へとなるでしょう。

そんな靴磨きを繰り返していくうちに自分も磨かれ人生も輝く。なんなら自分の靴だけではなく家族や友人など周りの人たちの足元も輝かせて相手も幸せにできる。どんな美しい言葉よりも美しく輝いた靴の方が雄弁にあなたの想いを届けてくれるかもしれません。

其の一のまとめは、まず靴を磨く前のマインドセットのお話でした。ぜひ、これを読んだあなたは早速実践してみてください。次の其の二もお楽しみに!押忍!