「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」ロングブーツ磨きのすゝめ
シリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。第16回目は、いつもの雰囲気と打って変わって女性に向けた靴磨きのお話し。この季節に大活躍する靴、”ロングブーツ”のメンテナンスについて長谷川裕也が熱く語ります。
「え?普通に磨いちゃえば良いんじゃないの?」とお思いの方も多いと思いますが、ロングブーツの特性上すこし磨き方を変える必要があります。
基本的には今までお話してきた工程を踏んでいただきたいのですが、ロングブーツならではの磨き方に関して特殊な部分と保管方法も含めたメンテナンス全般についてお話します。
其ノ壱、筒部分は無色のクリームを使うべし。
其ノ弍、くるぶし周りの曲がる部分は入念にクリームを入れるべし。
其ノ参、保管方法には気をつけるべし。
【其ノ壱】
まずはロングブーツを磨くときに筒部分は無色のクリームを塗ります。履いている時に筒部分は通常スカートなど衣類の内側にくることが多いので色付きのクリームを使うと衣類に色移りしてしまうのでそれを防ぐために無色クリームを使うのです。
ただ筒部分に色落ちなどがある場合は色付きのクリームを使いましょう。その代わり乾拭きはしっかりと行い衣類へ色移りしないように仕上げます。
【其ノ弍】
くるぶしの周り、筒の一番下部分は履きじわが多く入る部分です。この部分が乾燥して革が硬化すると表面がひび割れ(クラック)を起こします。ロングブーツは婦人靴の中でもトレンドがあまり変化しない靴なので数年にわたって長く愛用する方が多く、くるぶし周りがひび割れを起こしているロングブーツをよく見かけます。
なのでこのよく曲がる部分は栄養補給の乳化性クリームをしっかりと塗りこんで保湿してあげましょう。この部分はシワになる部分なので”色付き”クリームを塗布してください。無色のクリームは気温が低いとロウ分が白く結晶化しやすく、特にシワになる部分は白くなりやすいので”色付き”クリームを使用してください。
【其ノ参】
ロングブーツを履く時期はおおよそ11月〜3月くらいでしょうか。ということは4月〜10月までしまっている期間となります。半年以上も眠っているのですが、その時期は湿気が多いために保管方法を適切に行わないとカビを生やしてしまう危険性がとても高いので要注意です。
ではどのように保管するべきか?
まずしまう前に一度全体を靴磨きしましょう。汚れているとそれを栄養分としてカビが発生しやすくなるのでまずは全体をしっかりと汚れ落としをし、クリームを塗ります。クリームを気持ち少なめで大丈夫です。その後、お天気の良い日に陰干ししてからしまいましょう。
ロングブーツは箱に入れて保管している方が多いと思います。靴箱の中は湿気が溜まりやすいためにカビが繁殖してしまう恐れがあるので専用の乾燥剤を入れておきましょう。ホームセンターやネットなどで買えるもので良いので一箱に一つ入れておけば安心です。
それに加えてBrift Hで大人気の”幸せの黄色いウコン布”で包んでしまってもらえれば百人力です。ウコンにある天然の防虫抗菌作用で靴にカビを生えるのを抑えます。
そしてまた来たる秋冬シーズンを待ちます。また履き始める時は半年間の眠りから目を覚ますために一度靴磨きのフルコースをしてあげると良いでしょう。こうやって毎年を過ごせばきっと一生付き合えるブーツになるはずです。
以上、今回はこの時期活躍するロングブーツの磨き方に関して指南しました。もちろん婦人物だけではなく紳士物のロングブーツも同様のメンテナンスをしていただけたらと思います。
また乗馬用のロングブーツに関してはまたちょっと違う磨き方がありますのでそれはいつかお話できたらと思います。
一気に気温が下がりファッションが楽しい季節になりました。おしゃれは足元から。ぜひ素敵な足元で毎日をお過ごしください。それではまた来月!押忍!!