パリ靴磨き漫遊記・前半戦

日本の靴磨きを世界へ――。長谷川裕也が今回向かった先は、花の都パリ。世界最大級の展示会「メゾン・エ・オブジェ」での実演や、現地のデニムブランド「Super Stich」での靴磨き会を通じ、その至高の技術を披露しました。現地の職人と触れ合い、確信した日本独自の“靴磨き進化論”とは。熱狂に包まれたパリ活動報告をお届けします。
今日はちょっと珍しく、私・長谷川が海外活動報告をお届けいたします。ええ、そうです。今回はあの“花の都”パリで、靴と本気で向き合ってまいりました。
遡ること先月1月16日から9日間。目的はただ一つ、日本の靴磨きを世界に発信すること。僕が発起人を務めている「SHOESHINE GRANDPRIX」の活動の一環として、パリの地に靴磨き道具一式を担いで乗り込んできたわけです。もはや半分武者修行、半分観光……いや、7割靴磨きです。

パリ到着初日。時差ボケと戦う間もなく、荷物をホテルに放り込み、向かった先は「MAISON & OBJET(メゾン・エ・オブジェ)」。インテリア、家具、雑貨、ファッションなどが一堂に会する、ヨーロッパ屈指の巨大展示会です。規模感で言えば「え、ここ一日で回れる?」と誰もが思うやつです。
今回はジャパンブースで出展されていたライオン靴クリームさんのスペースにて、靴磨きの実演を担当させていただきました。2日間で本当にたくさんの靴を磨かせていただき、フランス人の皆さんのリアクションがとにかく熱い。
「なぜそんなに光る?」「何が起きている?」という顔で靴を覗き込む姿を見るたびに、日本の技術がしっかり伝わっているのを実感しました。いやはや、日本の靴磨き、やはり強い。
その後はパリ市内へ移動し、デニムブランド「Super Stich」にて靴磨き会を開催。オーナーのArtherは、日本でのデニム修行や岡山の工場経験もあるナイスガイで、ちょいちょい日本語が飛び出すあたりに親近感が湧きます。店舗兼工房の空間も素敵で、地元のパリジャンから日本のお客様まで、国籍ミックスな空気感が最高でした。
しかもこの時期、ちょうどパリ・ファッションウィークがスタート。店内にはデザイナーやファッション関係者も多く訪れ、靴を磨きながら交わす会話は刺激的そのもの。日本とはまったく違う環境で、感覚がぐわっと広がるのを感じました。
さらに途中、街の靴修理屋さんにも突撃訪問。開店直後にお邪魔して、10分ほど情報交換です。若い修理職人さんで、学校ではデザインを学んでいたとのこと。パリでは「靴磨き専門店」はほとんど存在せず、修理の流れで磨いて仕上げるのが当たり前だそうです。
この話を聞いて、日本の靴磨き文化はやはり独自進化を遂げた、いわば“靴磨きガラパゴス”なのだなと、しみじみ感じました。
そんなこんなで、パリ靴磨き漫遊記・前半戦はここまで。後半では、さらにディープな出会いや気づきが待っています。続きはまた来週。お楽しみに。